自己破産は借金でどうしようもなくなったというときに使う最後の手段と誰しもが考えていると思います。自己破産で借金帳消し、人生やり直せる!と考えている方は甘いかもしれません。実は借金が帳消しにならないケースもありえるのです。
借金が過剰に膨れ上がってしまった、多重債務に陥ってしまった、借金のための借金をしているというもう前に進むこともできず、元に戻ることもできない破綻寸前の方が考えるのが自己破産です。
もうどうしようもない、苦しい生活から逃れたいという藁をもつかむ思いで考えるのが自己破産というわけですが、自己破産の大きな特徴である借金が無くならないケースもありえることは頭に入れておいたほうが良いということについて今回は忠告しておきたいと思います。
以下は債務整理の一つである自己破産の注意点を解説していきます。
自己破産の解説内容について
この記事は以下の団体を参考に解説しています。
参考:日本弁護士連合会(日弁連)
参考:日本司法書士連合会
参考:法テラス
自己破産できない人とは?まず結論【早見表】
自己破産できない人とは、結論から言うと「支払いができる経済力がある人」「免責不許可事由が重い人」など、主に6つのケースに当てはまる人です。
ただし、当てはまっても多くの人は最終的に借金を免除(免責)されています。日本弁護士連合会の調査では、免責が認められた割合は96.85%でした。「できないのでは」と過度に不安になる必要はありません。
まずは自分がどのケースに近いか、下の早見表で確認してください。
| あなたの状況 | 自己破産できる? |
|---|---|
| 安定収入があり返済できる | ❌ 認められにくい |
| 借金が少額(目安100万円以下) | ❌ 認められにくい |
| ギャンブル・浪費が原因 | △ 裁量免責の可能性あり |
| 財産を隠した・嘘をついた | ❌ 厳しい |
| 過去7年以内に免責を受けた | ❌ 原則不可 |
| 費用・書類が用意できない | △ 法テラス等で対応可 |
| 上記に当てはまらない | ⭕ 認められる可能性が高い |
「△」や「❌」でも、対処法は残されています。この記事で順番に解説します。
自己破産できる人の条件(支払不能と免責)
自己破産が認められるには、大きく2つの条件があります。「支払不能」であることと、「免責」が認められることです。
支払不能とは
支払不能とは、収入や財産では借金を返しきれない状態を指します。1つの目安は「今後3年間で借金の元本を完済できる見込みがない」ことです。
たとえば年収800万円で貯金200万円がある人は、支払不能と認められにくくなります。逆に、病気で働けず収入も資産もない人は、支払不能と判断される可能性が高いです。
免責とは
免責とは、裁判所が借金の返済義務を免除する決定のことです。自己破産は「破産手続き」と「免責手続き」の2段階で進みます。免責が認められて初めて、借金がゼロになります。
つまり「自己破産できない」とは、正確には「免責が認められない」ケースを指すことがほとんどです。
自己破産できない人の6つのケース
自己破産(免責)が認められない人は、主に次の6つのケースに分かれます。
| # | ケース | 概要 |
|---|---|---|
| 1 | 支払不能と認められない | 安定収入があり返済可能 |
| 2 | 借金が少額すぎる | 目安100万円以下 |
| 3 | 免責不許可事由がある | ギャンブル・浪費・財産隠しなど |
| 4 | 非免責債権のみ | 税金・賠償金など免除されない借金 |
| 5 | 過去7年以内に免責を受けた | 再破産の制限 |
| 6 | 費用・書類が用意できない | 予納金・必要書類の不備 |
①支払不能と認められない
返済能力があると判断されると、自己破産は認められません。収入が安定していて、借金を計画的に返せる人が該当します。
②借金が少額すぎる
借金が少額の場合、「返済できるはず」とみなされやすくなります。目安として債務総額が100万円以下だと、支払不能が認められにくい傾向です。
③免責不許可事由がある
ギャンブルや浪費など、法律で定められた「免責を認めない理由(免責不許可事由)」に該当するケースです。詳しくは次の章で解説します。
④非免責債権のみ
税金や損害賠償など、自己破産しても免除されない借金(非免責債権)だけの場合、自己破産する意味が薄くなります。
⑤過去7年以内に免責を受けた
一度免責を受けると、その確定から7年以内は再び免責を受けられないのが原則です。
⑥費用・書類が用意できない
自己破産には予納金や弁護士費用がかかります。費用や必要書類をそろえられず、手続きが進まないケースもあります。
免責不許可事由の具体例
免責不許可事由とは、裁判所が原則として免責を認めない要件のことです。破産法で定められています。代表的なものを挙げます。
- ギャンブル・浪費:パチンコ・競馬・FX・ブランド品の買いすぎなど
- 財産隠し:財産を隠す・壊す・無価値に見せかける
- 偏頗弁済(へんぱべんさい):特定の債権者だけに優先して返済する
- 虚偽の申告:収入や財産を偽って借入れする
- 破産管財人への非協力:調査に協力しない、嘘をつく
出典:法務省「第11話 自己破産は最後の切り札?」では、浪費や賭博による借金、免責後7年以内の再破産は免責が許可されないことがあると説明されています。
ただし、免責不許可事由があっても、すぐに「できない」と決まるわけではありません。裁量免責という救済があります(後述)。
免責後も残る「非免責債権」とは
自己破産で免責されても、返済義務が残る借金があります。これを非免責債権といいます。
| 非免責債権の例 | 内容 |
|---|---|
| 税金・社会保険料 | 住民税・国民健康保険料の滞納など |
| 損害賠償(悪意の不法行為) | 故意に他人を傷つけた賠償など |
| 養育費・婚姻費用 | 家族の生活を支える費用 |
| 罰金・科料 | 刑事罰によるもの |
| 故意に隠した債権者への借金 | 名簿に書かなかった借入れ |
これらの借金しかない場合、自己破産しても負担は軽くなりません。自分の借金が非免責債権かどうかは、弁護士・司法書士に確認するのが確実です。
諦めないで:裁量免責という救済
免責不許可事由があっても、裁判官の判断で免責が認められる場合があります。これを「裁量免責」といいます。
実務では、ギャンブルや浪費が原因でも、反省して手続きに誠実に協力すれば裁量免責が認められるケースが多数あります。前述の免責率96.85%という数字は、この裁量免責が大きく機能していることを示します。
裁量免責を得るためのポイントは3つです。
- 裁判所に正直に説明する(嘘や財産隠しをしない)
- 手続きに誠実に協力する(管財人の調査に応じる)
- 専門家に事前相談する(弁護士・司法書士と方針を準備)
「できないかも」と自己判断で諦める前に、まず専門家へ相談することが解決の近道です。
自己破産できない確率は?実は96.85%が免責
「自己破産できないのでは」と不安な人へ、データを示します。実際に免責が認められた割合は96.85%でした(2020年・日本弁護士連合会の調査)。
つまり、自己破産を申し立てた人の大半は借金を免除されています。免責されなかったのは4%未満です。
過度に恐れる必要はありません。重要なのは、正しい手続きを、専門家と一緒に進めることです。自己流で進めて書類不備や説明不足になると、不許可リスクが上がります。
「できない」場合の対処法(任意整理・個人再生)
自己破産ができない・しない方がいい場合でも、借金を整理する方法は残っています。代表的な3つを比較します。
| 方法 | 特徴 | 向いている人 |
|---|---|---|
| 任意整理 | 利息カット・分割交渉。財産は守れる | 安定収入があり返済を続けられる人 |
| 個人再生 | 借金を大幅減額。住宅を残せる | 家を手放したくない人 |
| 特定調停 | 簡易裁判所が間に入り和解 | 費用を抑えたい人 |
任意整理
裁判所を通さず、貸金業者と直接交渉して将来利息をカットする方法です。財産を手放さずに済み、家族や職場に知られにくい利点があります。
個人再生
借金を5分の1程度まで減額し、原則3年で返済する方法です。住宅ローン特則を使えばマイホームを残せます。
どれを選ぶか迷ったら
最適な方法は、収入・財産・借金額によって変わります。自分でも判断材料を得られるのが、借金減額診断(無料)です。匿名で、減額できる可能性の目安が分かります。
自己破産できない人に関するよくある質問
Q. ギャンブルの借金は絶対に自己破産できませんか?
いいえ。免責不許可事由には当たりますが、裁量免責で認められるケースが多数あります。誠実に手続きを進めることが重要です。
Q. 自己破産できないと言われました。本当にできないのですか?
相談先の判断にすぎない場合があります。別の専門家にセカンドオピニオンを求めると、裁量免責や個人再生など別の道が見つかることがあります。
Q. 費用が払えなくても自己破産できますか?
法テラスを利用すれば、費用の立替えや分割払いが可能な場合があります。費用を理由に諦める必要はありません。
Q. 自己破産できなかったら借金はどうなりますか?
返済義務はそのまま残ります。放置すると取り立てや財産差押えのリスクがあります。任意整理や個人再生など別の整理方法を早めに検討しましょう。
借金の悩みは一人で抱えないでください。あなたがいくら減額できるか、まずは無料の借金減額診断で確認してみましょう。匿名・最短数分で目安が分かります。
出典・参考
・法務省「第11話 自己破産は最後の切り札?」
・日本弁護士連合会 破産事件及び個人再生事件記録調査(2020年)
参考:【放置厳禁!】期限の利益喪失通知が届いたらどうなる?どうする!不動産プロが緊急解説!| URUHOME
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